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「桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク」 姫野カオルコ 著(文庫)
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許されぬ恋。背徳の純粋。誰もが目を背け、傷ついた――。胸に潜む遠い日の痛み。
『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか。
表題作「桃」を含む6編を収録。


「ツイラク」とセットで読みました。こちらは短編なので、早々に読めた。
さらに「ツイラク」で出てきた人物が、年齢を重ねて出てくるのです。
長編の「ツイラク」を読んでいなかったら、理解が難しいかったろうと思う。

タイトルの「桃」・・・なんだかなぁ~です。
もう年で冷めているのだろうなぁ~と自分の今の年齢を自覚する(笑)

文庫本は、最後の解説を読むのが面白い。
今回はすごく長い解説文で、それを先に読まなくて、良かった。

「世帯主がたばこをへらそうと考えた夜」を読んで、私は嗚咽した。心の奥底の魂を溶かしだすような熱い涙が、あふれてきて止まらなかった。小説を読んでこんなに泣いたのは初めてだった。そして泣いたあと、心が少し軽くなった気がした。(男性解説者)

タイトル自体が変わっている「世帯主がたばこをへらそうと考えた夜」は
「ある50代男性の屈折した心理を克明に描いた小説」だけではなく
少年の心を想い出させるようです。女の私は涙どころか、許せないやつ!だけ。

ただ・・姫野カオルコさん(1958年生)には、熱狂的なファンがいらっしゃるだろうなぁ~と
思ったのでした。読者の記憶を蘇らせる力が?うまいと思うから。

私は、この先彼女の違う作品を読もうとは思っていない。
またどんな本を読めばいいか迷子になっている。


「ツ、イ、ラ、ク」 姫野カオルコ 著 (文庫)
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内容(「MARC」データベースより)
すべての人の記憶に眠る、官能の目覚め。狂おしいまでの恋の痛み、恋の歓び-。
渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった長編小説。


2003年に単行本が刊行された本です。
姫野カオルコさんの本を、読んだような気がしていましたが初読み作家さんです。

小学校2年生から、お話が始まるのです。延々と・・・子供達が続々出てきて・・・。
正直読むのを辞めようかと思った。半分ぐらいまでは忍耐・忍耐でした(笑)

ところが解説の方も書いているのですが
私も読んでいくうちに不思議な感覚が出てきました。

もうとっくに忘れたはずの記憶、もう思い出しもしない記憶、
中学校から高校時代の記憶が、この物語と一緒に出てきたのです。
もう50年以上も思い出しもしなかった小学校時代の記憶までもが・・・・。

登場人物に当てはまる様な人が、次々と記憶の中から出てくるのです。
どこまで思い出していくのか?面白くなってきた。
自分の感情まで思い出し、そうだったのかな?と再認識したり。

とてものりよく書いているのに、新撰組隊士の〇〇のように・・・など
私には理解できない所もありました。
お笑芸人が笑えなくなっている年齢を自覚しました(笑)
ただ、官能小説的なところも出てきて、いくらなんでも中学生!が??

高校を卒業したら、倫理の先生と結婚すると聞いたこともありましたし
せめて高校生位にして欲しかった。現実離れしているように思ったのは、
高校は8クラスだったが、中学は3クラスしかない田舎だったからかしらね。

古い記憶を思い出し、脳が少し活性化したかもしれません。
ただ、短期記憶が、これからの問題ですけれどもね(笑)

「阿寒に果つ」 渡辺淳一 著(文庫)
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内容(「BOOK」データベースより)
二十年前、冬の阿寒で自殺を遂げた天才少女画家・時任純子。
高校時代、純子に狂おしいまでの恋をした作家の田辺俊一は、
彼女と関係した男たちの許を訪ね歩く。二十年の時を経て明かされる真実とは―。

渡辺淳一が自伝的な要素を踏まえながら、一人の少女の短くも鮮烈な生と、
彼女に翻弄される男たちの姿を描いた初期代表作。


この前読んだ桜木紫乃さんの本に中に「阿寒に果つ」が最も美しい文章と
書かれていたので、それを意識して読んでみたいと購入。
昔、話題になった頃には読んだはずですが・・・・(もう45・6年前になりますか?)

天才少女画家・時任純子は、何故18歳で自殺したのか?誰を一番愛していたのか?
の長年の疑問を解決しようとしたお話です。
解説には、本格推理小説と言ってもいいのではないか?と書かれています。

最初は、美しい文章とは?と意識していたのですが・・・・いつの間にか
ストーリーに飲み込まれていきました。
北海道を舞台にした本なので、風景がハッキリと想像できます。
雪の夜道(札幌の大通り)を2人で歩くシーンでは、寒さ・手の冷たさまで感じられます。

渡辺淳一 38歳の頃の本で、40年以上前の本とは思えませんでした。
美しい文章は、いつまでも読めるということでしょうか。

読みだした頃、これは美しい文章だわ~と付箋を付けたところがあります。

少し前までは手に取ると指の間から逃げた粉雪も、いまは湿気を帯びたザラメ雪に変わり、掌の中にたしかな手応えがあった。陽の光をすべて吸い込み、なおやわらかくふくよかだった雪面は、水を含んで鏡面のような輝きをまし、その下に雪が溶けて透けた空間が現れた。山際や野の雪の中で、春陽の中に、かさ、という音をきくのは、こうした空間を上層の雪が沈んでうずめる音に違いなかった。三寒四温で、遅々とはしているが、冬が去り、春が来ることはもはや疑いようもなかった。


かさ という音、確かにします。もうちょっと先ですが・・・


いつも、しつこいほどのマロン
遊んで・・・                なぜて(コテン)・・・と、熱い視線
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コタツの上にパソコンを移動し、ネットフリックスの映画に集中。
ふと・・・・右を見ると、マロンとキキが仲良く・・・・の後姿
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毎朝の雀 この日は数が少ないです。ヒヨドリも飛来。
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2月末には、まだ少し雪は降るでしょうが、今日は雨で溶けて雪が全くなし。
岩見沢は、今年2m近いとか?ニュースで観同じ北海道と思えません 
冬枯ればかりの景色で、真っ白な世界が、少し恋しい私です m(_ _)m

な~んて事言っていたら、ドカ雪がきたりして・・・・ 


「三度目の恋」 川上弘美 著
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すべての女を虜にする魅力的な男、ナーちゃんと結婚したわたし。
女性の影が消えない夫との暮らしの一方、
わたしは夢のなかで別の女として生きることになる。

あるときは江戸吉原の遊女、さらには遙か昔、
平安の代の女房として、さまざまな愛を知り……。
夢とうつつ、むかしと今のあわいをたゆたい、恋愛の深淵をのぞく傑作長編。


現在と江戸時代と平安時代と3つの時空を現在の梨子が、夢の中で行ったり来たり・・・。
苦手なごちゃまぜ(笑)なのに解りやすかった。楽しかった。
単純な恋愛物?と思いながらも川上弘美さんなので借りてきて良かったわ。

伊勢物語をモチーフとした作品のようです。
業平は、何故女を虜にするのか?深く思考したのだろうと思いました。
各時代の男女の在り方を、上手に比較もされています。

高校時代の古文は楽しかったのですが、和歌など殆ど覚えていないなぁ~と
かなり・昔昔を思い出しました(笑)


「JR上野駅公園口」 柳 美里 著
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1933年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――
東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ
描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。


柳美里さんは、「ねこのおうち」しか読んだことがなく、他の作品も
気になってはいるのですが、どうもテーマが重そうで読んでいない。

これは、全米図書賞(翻訳文学部門)作品であり、2020年「TIMEが選ぶ今年の100冊」と
新聞で紹介されていて興味本位で読んでみた。

う~ん やっぱりかなり重い内容で、お話が現在過去と入り交じると
私は、入り込めないが・・・・・最後まで、ちゃんと読んだ(笑)
外国の方は、どの様に捉えるのだろうと、そこのところが気になる。

終戦の時12歳で出稼ぎに出て60歳で故郷に戻るも、妻を亡くして
67歳で上野のホームレスとなった男の苦難連続の人生を描いています。

行幸啓直前に行われる「特別清掃」の事もかいてあります。
解説は「天皇制の(磁力)をあぶり出す」  原 武史(政治思想史)です。

メモ:
皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃の外出を行啓(ぎょうけい)/巡啓(じゅんけい)と言い、
行幸と併せて行幸啓(ぎょうこうけい)/巡幸啓(じゅんこうけい)と言う。
単に「行幸啓」といった場合は、天皇と皇后が一緒に外出することを指す場合が多い。



「類」 朝井まかて 著
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内容(「BOOK」データベースより)
森鴎外の“不肖の子” 類、その愛すべき生涯。
愛情豊かな父、美しい母、ふたりの姉と何不自由なく暮らした少年時代。
父の死という大きな喪失を抱えながら、画業を志しパリへ遊学した青年時代。

戦後の困窮から心機一転、書店を開業。やがて文筆家の道へ―明治、大正、昭和、平成…
時代の荒波に揺さぶられながら、森鴎外の子としての宿命と格闘し続けたその生涯。


面白かった。久し振りに読み応えがある小説でした。
実在していた小説家・画家の名が、かなり出てきますので
小説ですがノンフィクションの部分も、かなりあるのでは?と思った。

また、随所に着物姿、樹木の名、花の名がたくさん出てきて
もっと知っていれば映像としてもっと、もっと想像できて
素敵な部分がたくさんあった様に思えます。

相方が先に読んでいたので、私が読んだところまで何度も
「あーでもないこーでもない」と会話が、かなり成り立った(笑)
家族の写真も確認したり(便利な世の中になったものですね)
2人して面白かったと思えた小説は、久し振りの事でした。

なんとなく怖いイメージを持っていた森鴎外ですが、優しい父親だったようです。
戦争があり資産がなくなり、生きづらくなってしまって類さんが、少し気の毒でした。

父親が偉大すぎて、息子は何一つその天資を受け継がなかった。
どうして何もしないで、ただ風に吹かれて生きていてはいけないのだろう。
どうして誰も彼もが、何かを為さねばならないのだろう。僕の本当の夢。
それは何も望まず、何も達しようとしないことだ。質素に、ひっそりと暮らすことだ。

類さんは親の亡くなった年齢を超え70代後半には、ひっそりと暮らせたようです。


類さんの本当の夢?が、今コロナ禍で叶っているように思いますが・・・(笑)


「小さいおうち」 中島京子 著(文庫)
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内容(「BOOK」データベースより)
昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。
だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、
戦争の影もまた刻々と迫りきて―。

晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく
最終章が深い余韻を残す傑作。


山田洋次監督で奥様:松たか子、女中:黒木華さんで映画化されて確かテレビで観ています。
が・・・あまり印象に残る映画では、ありませんでした。
松たか子さんが、綺麗だったなぁ~位かな?(笑)
で・・・中島京子さんですし、直木賞受賞作だそうなので、読んでみました。

今年になって直ぐに読んだ本ですが途中、図書館の予約本を優先していまして
日を開けて、ダラダラと読んでしまいましたが・・・・・面白かった。

年の暮れの、大掃除のお話や大晦日のお話に、中学2年生まで住んだ平屋の
それこそ小さいお家での母親(大正11年生まれ)を懐かしい気持ちで思い出しました。

母も奉公に出たという話を聞いているので、掃除とかに細かい母親だったのかもしれません。
毛糸の編み直しであっても、初袖を通すセーターで年越しを迎えたとか、障子の張替えなど。
張り替える前に、プチプチ穴を開けて面白かった。

私、いつ頃まで、きちっとした大掃除などを受け継いでいたのだろう?
もう現在の家には障子も、畳もありませんしね。

最後の方まで、晩年のタキが記憶を綴るという形の本なので、
一緒に自分の幼い頃の記憶を呼び起こしていたように思います。

現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残すとあり、確かにそうでした。
最終章に残る謎?どう思う?でした。何故タキは泣いていたのか?
映画ではどう表現されているのか気になり、今契約しているネットフリックスで
読了後、直ぐに観ました(笑)

セリフまで、本にある・なしが解りました。こんな場面は本に無いとか。
現在過去未来?入り混じった映画で、以前は内容が無の状態でみましたので
理解できなかったのだと解りました。魅力ある映画でした m(_ _)m

最後に中島京子さん言葉(対談の中から)
「私の考えている理由はあるんですけれども、読んでくださったかたが
自由に想像してくださったらうれしいですね」
だそうです。

本も映画も・・・謎は謎のままで・・・私なりに想像しています。多分・・・(笑)


「灯台からの響き」 宮本 輝 著
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内容(「BOOK」データベースより)
本の間から見つかった、妻宛ての古いハガキ。差出人は大学生の男。
亡き妻の知られざる過去を追い、男は旅に出る。
市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。


2019年2月から2020年1月まで掲載された新聞小説のようです。
今年で宮本輝さんは、73歳になられるのですね。

久しぶりに落ち着いた穏やかな小説を、じっくり読んだ気がします。
途中で気がついたのですが、地図帳を隣において、灯台の
場所を確認しながら読めばよかったと・・・。北海道以外は全く知らないから。
文庫本になり再読して、そうしたいと考えます。できるかな?(笑)

主人公の男 康平は、すごい読書量によって、知識が積み重なっている。
記憶力がいいからのようですが、私は全く重ならないのを自覚している。
だから、地図帳を隣に置けばよかったのかなぁ~って。でも、忘れるな(笑)

東日本大震災の後に出版された本には、教訓めいた言葉が多く書かれるようになった。
それはそれでいいですし、若い作家さんが頑張っているとも思えましたが
この年になると「今更 もう解っているよ~」と素直になれない気分も多かった。

宮本輝さんのメッセージは素直に、ストンと入ってくる。流石、年の功ね。
不幸だらけの人生でしたと嘆く人も、たくさんの幸福と巡り合ってきたはずだ。
ただそれを幸福と感じなかっただけなのだ。

他の作家さんの言葉も上手に、主人公に言わせているし・・・。

灯台を↓このように感じて見たことはないのですが、
目にしたら、そう思うかもしれない。そう心強く思いたい。
動かず、語らず、感情を表さず、海を行く人々の生死を見つめてきた灯台が、その時康平には、何者にも動じない、ひとりの人間そのものに見えていた。空の色と海の色と霧の色によって、灯台は自らの色を消してしまったかに見えるが、びくりともせずに、日が落ちると点灯して航路を照らしつづける。多くの労苦に耐えて生きる無名の人間そのものではないか。

「今度生まれたら」 内館牧子 著
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70歳になった佐川夏江は、夫の寝顔を見ながらつぶやいた。
「今度生まれたら、この人とは結婚しない」
夫はエリートサラリーマンだったが、退職後は「蟻んこクラブ」という歩く会で
楽しく余生を過ごしている。
2人の息子は独立して、別々の道を歩んでいる。でも、実は娘がほしかった。
自分の人生を振り返ると、節目々々で下してきた選択は本当にこれでよかったのか。
進学は、仕事は、それぞれ別の道があったのではないか。
やり直しのきかない年齢になって、夏江はそれでもやりたいことを始めようとあがく。

読み始めは、1/3は上の様なことばかりが書かれていて、私には愚痴としか思えなく
なんだか嫌な気分・・・・今年は親友と「無駄な抵抗はしない」と、話したばかりで
もろ無駄な抵抗、思考をしているようにしか、思えなかった。

私は「今度生まれるなら女子ではなく、男子」と小学生の時に思った。
これは、私が5番目の女の子で、お腹の中にいる時から、多分(笑)
「男の子だといいですね」視線、言葉があって、感じ取っていたのでしょう。

だからか、ずーと男の子っぽい女でした。男子に負けたく無かった。
で・・・しなを作る女が嫌いでした。
小学校6年生の時にいたのです。まだフルネームも覚えている
でも私も、男の子っぽいと男性にモテナイと、気づく時が来るのですわ(笑)
なーんて昔を思い出させてくれた本でした。

そうそう、分かる分かるって言う部分も多くて・・・・
そんな時代に私も生きてきて、選択・選択の人生で今がある。
その時々出した結論は、ベストだったと思う。
今、平々凡々な毎日を送れているのだから。